炭とは何ですか?

日本で炭を使ったと思われる遺跡が愛媛県の川洞窟で発見されたもので約30万年前のものと言われています。この時に発見されている炭は「消し炭」と言われているものですが同時に発見されたものは人為的に作られて炭でした。

 

炭の歴史は古いだけでなく良質の炭はその原木が良いのもでなければなりません。日本は自然環境に恵まれており四季もあり炭を作る条件は揃っています。日本の炭焼技術は世界最高の水準で特に紀州備長炭は日本を代表するものです。

 

炭は古墳時代を含めて約二千年前から使われており燃料のほかにも防腐剤吸湿剤として使われていたようです。また、燃料として使われてい一方で銅や鉄の製造技術の発達で炭が大量に必要にとなり炭焼の技術も向上しました。特に七世紀ひ入ると仏像の鋳造に大量の炭が必要になり品質の高い炭が作られる技術も向上しました。

 

最近では防腐、除湿、脱臭や水の浄化など多目的に使用されています。

 

炭も製造により白炭(はくたん)と黒炭(こくたん)に分けることが出来ます。白炭(はくたん)の代表は紀州備長炭です。紀州備長炭は原木には紀州とついているだけあって和歌山県産のウバメカシという堅い木が使われていますがカシやナラなどの堅い木も使われています。また、堅い木を使って白炭として作られている炭が九州や東北などでありますがこれらは備長炭とは言いません。竹炭も白炭の分類となります。

 

黒炭は主にクヌギ、コナラなどが使われています。白炭と黒炭は製造方法も異なります。白炭は生木を使用し黒炭は1ヶ月ほど乾燥させたものを焼きます。炭を焼く温度は白炭で千二百度位で焼き黒炭は五百度から八百度で一昼夜から一週間位かけて焼く場合もあります。白炭と黒炭の見分け方は簡単です。炭を両手で持ってその両手の炭を打ち付けると金属的なキンキンという音を発するものが白炭です。白炭は水に入れると底に沈みますが黒炭は逆に浮き沈むことはありません。竹炭の場合は始めは浮いていますが時間が経つと沈みます。

 

先にも述べたように日本は炭を作るのに大変恵まれた国です。四季があり森林がすぐ近くにあり人と森との共生がおこなわれてきました。奈良時代の後半には香道も生まれ臭いのない炭が求められました。平安時代には大仏の鋳造に沢山の炭が必要になり技術も向上しました。また、安土桃山時代には千利休が茶道を確立しお湯を沸かす燃料に使用されました。

 

このように日本人と炭は大昔から切っても切り離せない関係があり世界一といってもいいぐらいの炭焼技術を育んできました。

 

 

 

ページの先頭へ戻る